「凛とした光と清らかな輝きで、力強く未来へ」
日本体育大学桜華中学校・高等学校 校長 牛来 峯聡
長い二学期を終えるにあたり、皆さんの学校生活の様子を振り返ると、一人ひとりが積み重ねてきた努力、そしてその陰にある忍耐や誠実さに、桜華生の良さを改めて思い起こしています。
二学期は日々の学習、部活動や大会、生徒会や地域活動、学校行事――そのいずれもが簡単なもの
ではなかったと思います。しかし、皆さんは目標をしっかりともち、桜華生としての姿勢を大切にしながら、一つひとつの出来事に真摯に向き合ってきました。その姿は、まさに本校の誇りであると感じています。
振り返れば、この二学期は、皆さん自身の心が成長し、磨かれていく時間でした。挑戦に向かう勇気。壁に向き合う強さ。仲間を思いやる温かさ。そして何より、自らの未来を見据え、一歩を踏み出そうとする清らかさ。そうした姿勢を随所に感じることができ、この上ない喜びを覚えています。さて、明日から冬休みに入ります。冬休みは、一年の締めくくりであり、また新たな年を迎えるための静かな準備の期間です。皆さんにぜひ心に留めていただきたいのは、「節目を意識して、自らを整える時間を持つ」ということです。私たちの人生には、幾つもの節目があります。年の瀬は、その中でも最も象徴的な節目です。立ち止まり、ふり返り、そして新しい歩みを決意する。その全てを優しく包み込む時間が、年末年始には流れています。
皆さん、この冬休みを、心を鎮め、深呼吸し、自らを整える期間として過ごしてください。皆さん
が迎える来年は、午(うま)年、しかも60年に一度の「丙午(ひのえうま)」であります。古来より
午(うま)は、天地を躍動させる大きなエネルギーと、前へ進む推進力を象徴すると言われています。さらに「丙(ひのえ)」は、陽の気が燃え立ち、万物が勢いよく伸びていく状態を示します。すなわち来たる年は、「勢いよく駆け上がり、未来へ向かって躍動する年」であり、皆さんにとって新たな挑戦へ力強く踏み出すにふさわしい年となります。午(うま)が大地を蹴り、風を切って一気に駆けるように、皆さんの心にも、前へ進む勇気、俊敏さ、そして凛とした強さを、ぜひ宿してほしいと思います。
そのためにも、冬休みの過ごし方が極めて重要です。新しい年の“はじめの一歩”は、実は、この
静かな冬の日々に準備されます。ここでは、特に3点について触れておきたいと思います。
第一に、心身を整えること。
華やかな行事が続いた二学期の疲れは、皆さんが思う以上に心と体に蓄積しています。十分な休息
を取り、生活のリズムを整え、睡眠を丁寧に管理してください。整った心身は、新しい年に躍動する力の源泉となります。
第二に、今年一年の歩みをふり返ること。
大きな成果だけでなく、小さな前進、小さな優しさ、小さな努力――。そうした一つひとつの積み
重ねこそが、皆さんの人格を形づくります。静かに自らを振り返る時間は、皆さんの心をさらに美しく磨き上げるでしょう。
第三に、新しい年の自分を思い描くこと。
午(うま)の年は、思い描いた方向へ力強く進むエネルギーに満ちています。「どんな自分であり
たいか」「どんな行いを大切にしたいか」「どのように学び、どのように成長したいか」ぜひ、自分
自身に静かに問いかけてみてください。
一人ひとりの胸の奥には、まだ言葉にならない“願いの芽”が必ずあります。その芽を丁寧に育て
る時間こそが、この冬休みです。そして、新しい年。皆さんは、その願いを胸に、堂々と、そして品格をもって新たな歩みを始めてください。華やかに駆ける午(うま)の勢いとともに、皆さんの未来は、必ず大きく開けていきます。
最後に、桜華生の皆さん、皆さの持つ可能性は、誰でもない、皆さん自身の手によって開かれます。自らを信じ、仲間を思いやり、日々の行いを大切にしながら、新しい年の“出発”を迎えてくださ
い。
冬の空は澄み渡り、凛とした光をたたえています。その光のように、皆さんの心が清らかに輝き、力強く未来へ進んでいくことを願っております。
それでは、良い冬休みを過ごし、新しい年にまた皆さんとお会いできることを楽しみにしています。

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