本日、修了式と離任式が執り行われました。
以下に修了式の校長式辞を掲載させていただきます。

新たな自分への挑戦と変化
~ 何度も挑戦し、自分を変化させる勇気を持ち続ける~

日本体育大学桜華中学校・高等学校 校長 牛来 峯聡

一年という時間は、振り返ると驚くほど早く過ぎ去ります。とりわけ行事が多い三学期は最も短く、気づけば「何もできないまま終わってしまった」と嘆くことになりがちです。しかし、今年が蛇年(巳年)であるように、蛇が脱皮を繰り返す姿は“再生”や“新たな自分への変化”を象徴しているとも言えます。だからこそ皆さんは、一度立てた目標がうまくいかなくても何度も挑戦し、自分を変化させる勇気を持ち続けてください。

この一年間を振り返り、改めて「目標」の大切さを感じます。うまく達成できた人、途中で挫折してしまった人、そもそも目標を立てられなかった人――結果はさまざまでしょう。私自身は「毎日一万歩」「一年で一万ページの読書」「生徒との一万回の挨拶」という三つの目標を掲げました。毎日一万歩はほぼ達成でき、読書については200ページの本を50冊相当読んだため、目標を達成できました。一万回の挨拶は正確には数えていませんが、生徒の皆さんの積極的な挨拶のおかげで、200%の成果を得られたと思っています。皆さんに助けられ、こうして達成できた達成感は、次の新しい目標へと向かう原動力にもなります。

三月には、多くの来賓や保護者、在校生の代表による祝福の中、中学校3年生・高校3年生が卒業していきました。私は卒業式で、卒業生に三つの言葉を送りました。

一つ目は、自分自身の心身を健やかに保つ努力を惜しまないこと。夢や目標があっても、健康を失えば本当の挑戦はできません。時には自分を休ませることで、心と身体のバランスを整えて欲しいということ。

二つ目は、失敗を恐れず挑戦を続けること。成功も失敗も多くの学びをもたらします。失敗を糧にしながら果敢に進む姿勢こそが、自分を大きく成長させるということ。

そして三つ目は、他者への敬意と感謝を忘れないこと。周囲の支えがあってこそ、自分の夢や目標を実現できということです。これは卒業生だけでなく、桜華生の皆さんにも当てはまります。

 本校は「健康」「努力」「敬愛」の建学の精神を根幹に、「文武×美愛」という理念を掲げています。学問を極める「文」、スポーツや鍛錬で体力を養う「武」、真・善・美に触れて心を豊かにする「美」、そして仲間と支え合う「愛」。この四つが融合し、しなやかに生き抜く力を育むことができます。皆さんは、もうすぐ、新年度を迎えるにあたり、これらの柱を意識しながら新しい目標をもって、見つめ直して取り組んで欲しいと思います。

目標の成否にかかわらず、何度でも取り組み、前を向いて進む勇気こそが皆さん自身を大きく変え、成長させていきます。仲間や家族、教職員と支え合いながら、新たな一年を充実した時間にしていきましょう。